空を見上げて
『text.悪い、俺の都合もあるんだけどさ、アイツ等にちょっとウンザリしてる部分もあってさ。協力してくれないか?何かあっても必ず守る。約束する。』


必ず…

約束…


私、その言葉をまた信じることはできるのかな?

でも、蒼には恩もあるし。


『text.わかった。でも、条件があるの。』


考えに考えた。


『茜と、健くん、香澄、心くんには、ホントの事を話してもいい?』


私が出した条件。

茜達には、嘘をついていたくない。


『text.OK』


蒼は意外にあっさりと了承した。

その日の放課後、私たちは茜に事情を話そうと私の部屋へ茜を誘った。

結局この日は、秋野さん達は何もしてくることもなくホッとしていた。

蒼が自転車を取りに行っている間、茜と二人で校門で待つ。


「おー、行くぞ!」

「おっそい!相原!」

「うっせ!」


蒼と茜は、ホントに仲良しだな。

そう思いながら、二人の横を歩いていた。

歩いて15分程の場所に私のマンションはある。


「ねぇ…」

「ん?」


急に、落ち着いた声で話し出す。


「一人暮らし?」

「うん」


何を今更…

あ…


「なんで教えてくれないの!?」

「ごめん!てっきり知ってるもんだと!」


蒼が言ってるかと思ってた。

私からは直接言ってないもんね。


「ってか、相原!女の一人暮らしの家に泊まったの?」

「…あぁ。仕方ないだろ…」

「ホントに何もしてないの?」

「「してないからっ!」」


なるほどね、だから言えなかったんだ。

茜だもん…色々と問いつめるよね。
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