空を見上げて
少し心に余裕ができた私は、秋野さんの目を真っすぐに見つめる。


「茜がいても問題ないよね?」


私はニコッと笑い、ワザとらしく秋野さんに確認する。


「あ…うん。いいけど…」


勉強と言ってしまった為、後には引けず、納得するしかない秋野さん。

『じゃぁ、放課後』と言って、その場を後にする。


ホッと息を吐きながら、茜と目を合わせる。

茜も、呆れたように私を見ていた。




そして、いよいよ放課後。


蒼は、今日は日直で職員室へ。

茜もいてくれてるから、大丈夫だよね?

余計な心配をかけまいと、蒼には報告していなかった。


「遥、放課後に勉強なんて熱心だね!」


教科書を広げながら、茜が少しワザとらしく秋野さんに言う。


「どうしてもわからないところがあったから」

「私なんてわからない所だらけだけどね!」


茜さん…それ自慢するところじゃないから…。


「茜は、テスト前に相原くんに教わってるんでしょ?」

「うん!勉強妨害だって怒られるけどね!」


自覚してたんだ…。

怒られるのわかってて、普段勉強をしない茜も茜だけど…。


「私も今度教えてもらおうかな!」


秋野さんは私をチラッと見る。

えぇ、どうぞご自由にぃ~。

なんて言ってられないか。

秋野さんに付きまとわれない為の付き合いでもあるわけだし。


「で?秋野さん、どこがわからないの?」


この妙な空気を早くなんとかしたくて、私は本題を切りだした。

まぁ、秋野さんにとっては本題ではないんだろうけど。
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