空を見上げて
蒼から受け取った袋には、ビールとつまみが色々入っていた。


「コレが…お土産?」


呆れた私の冷たい視線を二人に送る。

茜は全く動じずにリビングに上がって行く。


「美月も…飲むかと思って…」


その横で、蒼が視線を泳がせながら一生懸命言い訳をする。


「嘘つき…」


呆れながら笑顔を向けると、蒼は申し訳なさそうに俯きながら頬をかいている。


「はぁ…グラスいる?」


ため息をつきながら、パックになっているビールの缶を取り出す。

残りを冷蔵庫にしまい、鮭トバをお皿にあけた。

袋に入っていたチーズを生ハムとレタスで包み横に添える。

生ハムなんてリッチなもの買って来て…。

まぁ、私も好きだけど。


「はい」

「おぉ!スナックにでも来たみたい!」


スナックって…。

行ったことあるのかって話…。

無駄にハシャぐ二人。

私がモヤモヤを抱えてるのがわかってたから、来てくれたんだよね。


「…二人とも、ありがとう」

「は?何の話?」

「私が、ウジウジしてたから、来てくれたんでしょ?」

「……まぁ」

「だから、ありがと!」


茜と蒼は顔を見合わせて照れくさそうに笑っていた。

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