空を見上げて
「美月って、天然だったんだね!」

「はぁ?!そんなことないから!」

「自分で言うヤツに限って手におえない天然なんだって!」

「手に負えないって何?!ムカつく~!」


…でも、この扱いって何?!

何故か、やられキャラが定着しつつある。

どうして?


「何?美月、またなんかやらかした?」

「またって何?!」


席を外していた蒼が戻ってきて話に食いつく。


「聞いてよ!美月ったらねっ!」

「いいって!言わなくて~っ!」


からかわれっぱなしですが…。

楽しい高校生活を送っていますぅ…

今のところ…ね。

『最初は近寄りがたい雰囲気だったんだけど、茜との会話とか聞いてると、楽しそうな人だなって思って!』

と、西崎 桜が言ってくれた。

茜がいなかったら、多分「近寄りがたい人」で終わってたんだろうな。

クラスメイトからそう言われるのがなんだか嬉しかった。


気がかりなことは、秋野さんが何も言ってこないこと…。

蒼がイマイチ何を考えてるかわからないこと…。


「美月…お前アホだろ?」

「はぁ?!蒼に言われたくない!」


話を聞き終わったらしい蒼が私をバカにする。


「ねぇねぇ、相原くんから告ったんでしょ?」

「あぁ、そうだよ。」


う…なんか色々聞かれそうな予感。

確かに、この集まりの口実を考えてみたら、こういう質問も出てくるんじゃないかとは思っていたけど…。

つじつまが合わなくなったら困るから、私はひたすら黙っていよう…。


「初日から、美月は『蒼』って呼んでたじゃない?」


黙っていようと思っていたのに、早々に話を振られてドキッとする私。



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