空を見上げて
だって、ケンカするようなことないし。

ケンカするような間柄でもないし。

蒼が誰とどんなふうに夏休みを過ごそうが、私が口を挟むことではない。


「桜、わかってないなぁ~。」


上から目線な発言をしながら私たちの向かい側に座る茜、

こういう態度もみんな許せてしまうのは何故?

茜様だから?


そんなくだらない事を考えている私の鼻を、茜のキレイな人差し指がツンッと突く。


「嫉妬…でしょ?」

「は?」


上目遣いでニンマリと笑う茜。

私が男の子なら、確実にときめくね…。

じゃなくって、嫉妬って何?!


「あ、私も思ったぁ!美月って、意外とヤキモチ焼きなんだなって!」


茜の意見に同意する桜。

え…っと?

誰が誰に嫉妬?

二人の話がイマイチ理解できない。


テーブルに両肘を着き、頬杖をついた状態でニッコリ笑う桜。

ちょっ…

私が『意外とヤキモチ焼き』って事は…

蒼と秋野さんが仲良くしてるのを見て、私が嫉妬してるって言いたいって事?!

桜が勘違いするならまだわかる。

でも、茜も今同じことを思ったってこと?


「違…からかわないでよ!」

「からかったわけじゃないよ?ただ、美月は相原くんを大好きなんだなぁって思っただけ!」


ちょ…誤解ですぅ~!

とはいえ、桜に本当のことを説明はできない。

助けを求めて、茜をチラッとみてみる。

意地悪な笑みを浮かべ、私をただ眺めているだけ。


「まぁ、素直になりなさいってこと!」

「そうそう!」


なんだかよくわからないまま、茜と桜は話を終わらせる。

それって…なんだか桜を誤解させたままな気がするのは私だけ????
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