空を見上げて
はぁ。

蒼の背中を見ながらのLHR。

議題は、学園祭の出し物について。

只今、黒板に書きだされているものは…。

お化け屋敷。
焼き鳥屋。
メイド喫茶。
演劇。

まぁ…ありきたりっちゃ、ありきたりなチョイス。

でも…多分…あの子の性格を考えると、クラスメイトに有無を言わせずに決まるんだろうな。

メイド喫茶に…。




担任が入ってきた教室での出来事。


「今日は、学園祭の出し物決めるから。クラス委員カップル。」


…もう、その呼び方やめて欲しい…。

私たちは、クラス委員を決める時、立候補も推薦もなかったことから無理矢理出席番号で決められたクラス委員だった。


「セクハラだぞ、その呼び方。」


そんな事を言いながら渋々教壇に向かおうとした私たち。

突然、教壇の目の前で『ガタン』と音がして視線を送ると、そこに茜が立っていた。


「私やる~!」


…このお祭り娘…。

いつもは堂々と寝てるくせに、こういう時だけ張り切るんだから。

そして、私と蒼は席に戻り今に至る。


何かやりたいものはないかと、クラスに問いかけ出てきた『お化け屋敷』と『焼き鳥屋』。

それに対し、『わかってないなぁ~!』と…。

『メイド喫茶』の提案をしたのは茜だった。


「絶対、メイド喫茶以外やる気ないよな。」


教室の壁に寄りかかりながら振り返る蒼。


「私もそう思う。」


机に肘をつきながら、茜の様子を呆れながら見る私。
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