空を見上げて
蒼と顔を合わせていると、うまく隠せているのか不安になる。

でも…蒼にも茜にも何も言われていないこと考えると、疑ってはいないだろうと…そう思うんだけど。


『顔に出る』と言われている私が、二人に秘密ごとをしているのは奇跡に近いのだけれど…。


案の定…出し物はメイド喫茶に決まり、それぞれの係分担を決める。


「メイド服作りは美月に決まりね!」

「えぇ?!」

「だって、裁縫得意でしょ?家にミシンもあったし。」


変なとこだけよく見てる…。

茜の前で裁縫らしいことはしたことないはずなんだけど…。

茜の制服のボタンをつけてあげたくらい。

そんなん、誰だってできるって…。

反論は受け付けてもらえずに、私は衣裳係に任命された。

デザインは茜がするということで、かなり不安な職務。

気が重い…。

メイド服を着る人…当日、お店に出る人も、ほとんど茜の指名で決まる。

なんだこれ…。

茜は一体何をたくらんでいるの?


「話、早く進んでいいなぁ!」


気楽過ぎだろ!

担任は、茜の進行を見て頷いていた。

それでいいのか?

男子は教室の中の装飾を担当。

当日はほぼ裏方と言うことに…。


「じゃぁ、駿河。その調子で今日の会議参加してきてくれよ!学園祭の委員はお前で決まりな!」

「はぁ?!めんどくさい!そんなのヤダよ!」


アンタ…こんだけ仕切って、めんどくさいこと押し付けてるのに、それはないでしょ。

茜と担任のやりとりが続く中、クラスメイトは自分に委員指名がくるんではないかと、ドキドキ。

自然と、茜から視線を逸らしていた。


「わかったわよ!そこまで言うならやるけど…内申上げてよ!」


ホント…シッカリしてるよ…。
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