空を見上げて
「そうだな、まぁカッコイイんじゃない?俺には負けるけどね~!」

「あはは!じゃあ、期待はできないね!」

「何を~?!」


男友達がいないわけではなかったから、冗談に冗談で帰す事くらいはできる。

むしろ、女友達よりも、男友達といる方が楽だと思っていた事もあった。

極端にいえば、殴り合ってでもケンカして、そしてわかり合う…。

そんなさっぱりとした男の子同士の付き合いに憧れる。

女って…根に持ったり…直接ではなく、陰口をたたいたりするから。

本心がわからない。

でも、男の子のような力もなくて…。

男の子と同じに扱うと言われても対応できない事の方がきっと多くて。

なんで、私は女なんだろう。

男の子だったらよかったのに。

そしたら…あんなことだって起きなかったでしょう?


でも、蒼といると、そんな感覚が戻ってくる気がする。

やっぱり不思議な人…。

多分、蒼って言う人に裏表がないからだと思う。

この人は対等に扱ってくれる。

私を私として見てくれる。

それでも、こうやって二人で笑いながら話ができるとは思っても見なかった。


蒼が言っていた通り、待ち合わせ時間の6時になって、

クラスメイトの姿がチラホラ見えるようになってきた。


「そろそろ出るか?」

「うん。」


茜が、どうしても食べたくなる気持ちがわかるほど、おいしいケーキをキレイに食べて、私たちはカフェを後にした。

待ち合わせ場所に、二人で行った事によって注目の的になってしまうのだけれど…。
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