空を見上げて
「ちょっと!もしかして二人、付き合ったの?!」

「「え?!」」


思わぬ質問が私たちを待っていた。


「違うって!ただ、早く来ちゃったからお茶してただけ!」

「へー、怪しい~。」

「必死になってる感じが、益々怪しいよな!」


私たちに集まる視線。

いや、必死にもなるでしょ。

私なんかとそんな誤解されたら。


「だって相原、いつもは時間ギリギリじゃん。」


そうだったんだ…。

私との事を誤解されてるはずなのに、なんだかちょっと蚊帳の外。

蒼が、からかい甲斐があるのは、茜とのやりとりを聞いているとわかるけど。


「それは、駿河がいつも遅れてくるのがわかってるからで、今日は、美月に伝えるの忘れてたから早く来ただけ!」

「あー、相原の行動怪しいと思ってたんだよな!「蒼」とか呼んでもらってるし?」

「もしかして、二人になりたくて言わなかったとか!」

「抜け駆けすんなー!」

「えぇ?!相原くんってやっぱりそうなの?!ショック!」


なんか、蒼が否定すればするほど、事が大きくなるというか、冷やかしのスイッチが入って行くと言うか…。

いろんな声が飛ぶ中で、私は何が何やらわからずに、みんなの動きを眺めている私。

蒼は、男子達にもみくちゃにされていた。

ホント仲いいんだな。

なんだか、蒼は大変そうだけど、この光景自体は微笑ましく感じで、私の頬は緩んでいた。



その時…

どうしてだかわからない。

ただ、なんとなく…振り返った私は、それを見て後悔した。
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