空を見上げて
「青柳 美月です。よろしくお願いします。」


形式的な自己紹介を済ませる。


「席は、相原の後ろだから。相原!」

「はぁ〜い。」


廊下側の一番前の席。

軽く手を挙げる男の子がいる。

その後ろに一つだけ空いている席。

そこが、私の席だ。

指示された席に向かう。

新学期だから、出席番号順…。

どうせなら、窓側の席が良かったな…。

まぁ、毎年の事だもんね。

そんな事を考えながら、席のイスを引き、座った。


「よろしくな!」


相原…って呼ばれてたっけ?


「…こちらこそ。」


振り返りながら話かけてくる男の子に無愛想に答える私。

だって…

できれば関わりたくない。

この一歩間違ったら敬語を使ってしまいそうなくらいの関係を保ちたい。


テリトリーには入ってもらいたくない。

もう、今までのように…誰かと接する事なんてできない。


「今まで1年間この学校で過ごしてきてるから…自己紹介とかはいらないか?」


教壇に立った先生が教室全体に問いかける。


「ん〜、でもな〜。クラス替えもあったし。関わりなかったヤツとかもいるはずだから、一応やっとくか。相原から。」


悩んだ結果、出席番号順に自己紹介をするように促した。


「めんどくせ〜。」


同じく…。

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