空を見上げて
私が俯いて言い訳を考えている時、予想外の蒼の優しい声が聞こえた。


「大丈夫か?」


蒼は何もなかったかのように、私に接してくれる。


「ごめんなさい…平気…」


咄嗟に体を引き、蒼との距離を保つ。


「そう?ならよかった。」


蒼は優しく微笑んでいるのに。

私の心臓は動きを早める。

トキメキではなく、違う意味で。

やっぱりダメ…。

どうしよう。

やっぱり怖い…。


男の人が、みんなではないことはわかってる。

でも、自然に体が拒絶する。


「早く!入って~!」


茜が店のドアを開いて待っていてくれていたので、駆け込んだ。


何事も…起こりませんように…。

今の私には、ただ祈るしかできなかった。
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