空を見上げて
優しさ
ま、まさか…このお店で、騒ぐんじゃ…

ちょっと心配になったけれど、茜の知り合いのお店で、格安で貸し切ったとのことで安心した。


じゃなきゃ、こんなお店で高校生が堂々としてられないような、大人な雰囲気のお店だった。



「カンパーイ!!」


各自、飲み物を片手に、茜の音頭でグラスを掲げる。

席は自由席。

茜に薦められるがままに、食べたり飲んだり。

蒼は、いろんなテーブルから引っ張りだこ。

一応私の隣にバッグは置いてあったけど、本人はなかなか戻ってこない。


「蒼って、モテるんだね~。」


秋野さんと言い…現状と言い…男の子にも女の子にも人気なんだな。

その様子を見ていて、呟いた一言。

茜のスイッチが入るとも知らずに。


「何?美月も相原狙い?」

「まさかっ!」


極力、男の子とは関わりたくないんだってば!

必然的に、蒼とは話す機会とかは多いけど。

にしても、茜が「美月「も」」って言うって事は、やっぱり何人か知ってるんだろうな。


「なんでだか、あんなんだけどアイツ、モテるんだよね~。敵が増えるよ?」

「だから、別にそういう意味で聞いたんじゃないって!」

「へぇ~?そぅ?」


信じてないな…これは…。

茜は、人をからかうのが大好き。

一緒にいることも多いから、私と蒼がそのターゲットになることも多い。


「まぁ、イイ奴だよ!協力しようか?」

「んもぅ!だから、違うってばっ!」

「いいと思うんだけどなぁ。身長差カップル!」


いや、待て。

いいと思う理由は身長差なの?

そんなんで、くっつけられたらたまったもんじゃないけど!
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