空を見上げて


今日一日はとんでもなく早かった…。


いつの間にか放課後。

授業の合間は常にクラスメイトに囲まれていて、色々な質問をされる。

教室の外から覗いている人もいたらしい。


転入生は、そんなに珍しいものなのかな…。


相原 蒼(あいはら そう)

たまたま、席が前後になった男の子。

他のクラスメイトからも信頼されているようで、

常に友達に囲まれている。

明るく爽やかな好青年。


駿河 茜(するが あかね)

超美人。

見た目と違って、ものすごくマイペースで強引。

面倒見は良さそうだけど、

ちょっとSっけのありそうな姉御的存在…。


茜と蒼は、中学からの知り合いらしく、特に仲がいい。

息の合ったこの二人が先頭となって、私をいじりまくる。

特に茜。


「『駿河』ってなんか堅苦しくてイヤだから、

『茜』って呼んでね!私も『美月』って呼ぶし!」


とのこと…。

それに便乗した蒼からも呼び捨て命令が下された。

私に判断権はないらしい。


それにしても、茜はまだしも、

蒼を呼び捨てにしてる人を、

今日一日見かけてないんですけど…。

いいのかな…。

あんなに目立ちそうな二人とは、あんまり関わりたくないのに…。

でも、そんなこと口に出して言って、事を荒立てるのも嫌だった。


そして週末は、茜の提案で私の歓迎会をしてくれると言うことになった。

そんなのいらないのに。

私の予定も聞かずに…ね。

拒否権もないらしい…。

その日の帰り際、茜と連絡先を交換した。

…強引に。


部屋に帰り、ソファに座る。

ドッと疲れた…


前の学校では、

茜のようなペースの子はいなかったからかな。

扱いに困る…。

< 7 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop