花とアイドル☆《完》
経験のない花乃には、ものすごー
くハードルが高い。


でも――。


自分しか頼る相手がいないから、
頼んできてくれてるわけで。


それをむげに断るなんてことも、
とうてい出来ないのが、花乃の
性格だった。



「わ、わかった……」


「サンキュ〜。感謝するわぁ」


意を決した返答が、なんとも軽い
お礼の言葉で受け止められる。


「何時くらいに起こしに行けば
いいの?」


それはきっちり確認しておかねば
と、花乃は少し声を大きくして
拓斗に尋ねた。


拓斗はトロンとした目で腕時計を
確認すると、


「今1時前だから……できれば
3時くらいかなぁ」
< 164 / 474 >

この作品をシェア

pagetop