花とアイドル☆《完》
「3時ね、わかった」


「花乃さんヘーキ?

そんな遅い時間」


「たまにくらい、大丈夫だよ」


それに、さっきまでとても作業が
はかどってたから、まだまだ眠く
なる気配はないし。


3時まで起きていること自体は、
さして大変ではなさそうだ。


――問題は、その後の『お願い』
のほうなんだけどぉ……

とはいえ、引き受けてしまった
ものは、今さら後にはひけない。


「がっ、がんばるよ!」


明らかに力が入りすぎているの
だけれど、すでに半分寝ている
拓斗には気にもならないらしい。


「ゴメンね、じゃあよろしく〜」


張りのない声でそれだけ言うと、
拓斗はフラフラと廊下を歩き、
階段をのぼっていった。
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