花とアイドル☆《完》
そもそも、ノックの音で起きれる
くらいなら、わざわざ人に頼まな
くてもアラームで簡単に起きれ
そうだし。


――やっぱり、行くしかない
みたい…!


花乃はドキドキする胸に
『落ち着け落ち着け』と言い聞か
せながら、勇気を振り絞って、
ドアノブに手をかけた。


「――おじゃましまぁす……」


返事が返ってくることはないと
分かっているけど、一応声を
かけて、そっと中に入る。


初めて入った、拓斗の部屋は。


広さは花乃の部屋と同じくらい
だったけれど、イメージは全く
違っていた。


壁紙も床も、花乃の部屋とは
デザインが違っていて、モダンな
感じで。
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