花とアイドル☆《完》
だいぶ、疲れがたまっているの
かも。


花乃は、ついここに来た目的も
無視して、毛布をかけてそのまま
寝させてあげたいような気持ちに
なってしまう。


でも、実際はそんなわけにもいか
ないわけで。


――眠くてもやらなきゃいけない
から、頑張ってるんだもんね…。


花乃は静かに寝息をたてている
拓斗に歩み寄ると、恐る恐るその
肩に手をかけて、小さく揺すった。


「拓斗クン、起きて。

時間だよぉ」


ゆさゆさゆさ。


「…………ん……」


拓斗の口から、小さく息がもれる。


「……ん〜、あと10分……」


――え、えぇぇ〜!?
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