花とアイドル☆《完》
花乃は吸い寄せられるように
テーブルへ近付くと、台本を手に
とった。


――やっぱ見ちゃダメ…かな…。


そう思ったけれど、どうしても
興味が押さえられなくて。


花乃は、そっとページをめくる。


別にこの先の展開が知りたかった
わけじゃないので、真剣に文字を
目で追ったりはしない。


ただ、まるで別人に見える、
スクリーンの中の瞬と、拓斗を
結び付けるものを見つけて。


やっぱり、あの瞬も、拓斗が『演
じて』るんだなぁ―と思ったら、
見てみたくて、仕方なくなった
のだ。
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