花とアイドル☆《完》
台本はだいぶ読み込まれている
ようで、すでにヨレッとなって
いて。


中は、何色かのペンでカラフルに
書き込みがされていた。


『内心は、母親への愛情と憎しみ
で揺れてる?』という解釈的な
ものから、『とにかくなりふり
かまわず!』という指示っぽい
ものまで。

本当にたくさん、書き込まれて
いる。


まず目を通した時に自分なりの
解釈をして――打ち合わせ等で
出た指示も、丁寧に書き込んで、
という感じだった。



――すごい…。

こんなに頑張ってるんだ…。


拓斗の熱意が、台本にそのまま
あらわれていて。


花乃は、知らず息をのんでいた。
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