花とアイドル☆《完》
さすがの拓斗も、それでようやく
目が覚めたらしい。


無防備に揺さぶられるがままに
なりつつも、薄く目を開いて、


「ん……あ、花乃さん?」


「あ、お、起きた?」


花乃はあわてて拓斗から離れる。


拓斗はゆっくりと上半身を起こす
と、眩しそうに目をこすりながら、


「起きた……。おはよぉ」


まだ眠そうではあるけれど、とり
あえず眠れる王子様を起こすこと
には、成功したみたいだ。


「おはよ。だいじょーぶ?

そんなかっこで寒くなかった?」


「あぁ…慣れてるしヘーキだよ。

サンキュ、助かった」


少しかすれた声で言いながら、
サイドボードの時計に目をやって、


「おお〜、3時20分。

やっぱ電話で起こしてもらうよか
、ダンゼン早いな♪」
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