花とアイドル☆《完》
首尾は上々だったみたいで、花乃は内心ホッとした。


と、立ち上がった拓斗が、花乃の
手元に目をやり、ちょっと驚いた
ような表情を見せる。


「あれ――それ、見てたの?」



――――!!



台本を手にしたままだったことに
気付いて、花乃は硬直しそうに
なった。


「ご、ごごごごごめんなさいっ!

勝手に見たりして…あたし……」


「あ、イヤ別に謝んないでいいけど!

花乃さんそーゆーの興味なさそう
だから、ちょっとびっくりした
だけだから」


「あ……」


「先の展開とか誰かにバラしたり
しなきゃ、別にかまわないよ」


花乃が差し出した台本を受け取っ
て、拓斗は優しくそう言って
くれる。
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