花とアイドル☆《完》
――そうだ……。

時間にもよるから、今朝は会わな
かったけど。

もしかしたら明日にでも、会っちゃうかもしれないんだ……。


みずほの言葉で今さらながら
それに気づいて、花乃はさらに
沈んだ気持ちになる。


「本郷家の人がいいって言ってん
のに、勝手にそいつが文句言って
るだけなんだからさ。

あたしは、次会ったら、強気で
ガツンと言い返してやった方が
いいと思うけど」


握り拳を振りかざしながら、
勇ましくみずほが言う。


「う…ん。

言えればいいんだけど……」


歯切れの悪い曖昧な返答に、
みずほは何か思い当たったように
眉をひそめた。


「あんた……まさかとは思うけど」


「な、何?」
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