花とアイドル☆《完》
昨日、最初に感じたのは、たしか
に憤りと悲しみだった。


花乃は本郷家に来るまで、そこが
人気アイドルの家だなんて知らな
かったのだ。


言わば不可抗力のようなもので、
自分にはどうしようもないことな
のに、それを責められた、憤り。


そして、みんなとも打ち解けて、
楽しい毎日を過ごして。

自分もようやく本郷家の一員に
なれたかな? と喜んでいた矢先
に、それを真っ向から否定された
ことへの、悲しみ。



でも、一晩色々と考えて、今日に
なると。


朱鷺田さんがあえて自分にそこま
で言うのなら、本当にそうなの
かもしれない――と思うように
なってきた。
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