花とアイドル☆《完》
「でもあたし、拓斗クンや愛香さ
んの迷惑には、なりたくないよ……」


みずほは、とうとうバッと勢い
よく立ち上がって、真上から花乃
にピシャリと言い放った。


「じゃあ花乃はどーしたいの?

出て行きたいわけ?」


「出て行きたくないよ!」


不思議なくらい即座に、その答え
は口をついて出てきた。


――そうだよ。

あたし、あの家を出るのはイヤ。

できればずっと、あそこにいたい
……。


みずほは満足そうに頷いて、


「それがハッキリしてるんだった
ら、後は、どうすればいいのか、
自分でゆっくり考えなよ」


そう言って、再び花乃の隣に
ストンと腰をおろす。


「みずほちゃん……」


「あたしでよければ、いつでも話
聞いたげるしさ」
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