花とアイドル☆《完》
昼間みずほに話を聞いてもらって
、だいぶ気持ちの整理ができた
ものの。


さすがにまだ、顔を合わせても
うまく話せる自信がないからだ。


――でも……拓斗クンとも、
話しづらいな……。


もちろん、拓斗は昨日のことは
知らないだろうけれど。


拓斗が渦中の問題だけに、花乃と
してはどうしても意識しないわけ
にいかない。


――もう、自分の部屋だといいん
だけど……。


そう思って恐る恐るリビングの
ドアを開けた花乃だったが――、


「あ、花乃さん。お帰り」


無情にも、出迎えたのはにこやか
な拓斗の笑顔だった。


「た、ただいま」
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