花とアイドル☆《完》
「へ、へぇ……」


「母さんいないし、奈津美さんと
二人でお茶しようとしてたんだ
けど。

花乃さんもおいでよ〜」


屈託ない笑顔で、拓斗がおいで
おいでと手を振る。


――ど、どうしよう

とても笑顔でお茶、とかできそう
にないよぉ〜


「ご、ゴメン、ちょっと出かける
所があって……」


混乱した花乃は、つい口から
出まかせを言ってしまった。


「――え? そなの?

今から?」


「う、うん!

えと……欲しい本があったの、
買ってくるの忘れちゃって!」


ちょっと不自然な気もするが、
言い切ってしまったものは、もう
引っ込みがつかない。
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