花とアイドル☆《完》
それを見て満足そうな表情を見せた拓斗は、


「よし!

んじゃ、とりあえず帰ろっか〜。

今ならまだ夕食間に合うかも」


言いながら軽い身のこなしで立ち
上がると、クルッと振り返り、
花乃に右手を差し出す。


――え? こ、これって……。


「――帰ろ?」


夕陽を背に、花乃を優しく見下ろ
しながら。

今日見たなかで一番の、ハニー
スマイル。


「/////////――!!」


――アイドルって、自分がかっこ
いいってこと、自覚してるんじゃ
ないのぉ〜っ


分かっててこれなら、あまりに
罪作りだよぉ(涙)


いろんな意味で、泣きそうに
なりながら。


花乃は『どーにでもなれ!』と、
そっとその手を掴んだのだった
……。



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