花とアイドル☆《完》
でも――、


「拓斗クンは、ずっと芸能界で
頑張っていきたいって、思ってる
んだね」


「ん?

そーだね。

さすがに70とか80のおじーさんに
なったらどうかわかんないけど、
当分はこの業界でやっていきたい
かな」


前を見たまま、迷うことなく
拓斗は答える。


「ようやく、やりたい仕事が
メインでやらせてもらえるように
なってきてさ。

今、仕事はすごく楽しいし、やりがい感じてんだ」


そう言う拓斗の横顔は、夕陽の
せいだけではなく、キラキラして
いて眩しい。


「17で自分が将来やっていきたい
ことがバッチリ見付かってるって
さ、考えたらすっげーラッキーだ
と思うし。

やりたいことを、やりたいだけ
させてもらえるって、ありがたい
よな」
< 274 / 474 >

この作品をシェア

pagetop