花とアイドル☆《完》
「拓斗クン――?」
――え……どういうこと?
拓斗より数歩前に出る形になった
花乃は、振り返って拓斗の顔を
仰ぎ見た。
視線を絡ませたまま、拓斗は寂し
そうな笑みを浮かべる。
「自分は好き勝手やってながら、
こんなのただのワガママだって、
分かってるんだけどさ。
オレはもうフツーの人間じゃない
のに、周りにはフツーでいてほし
い…なんて、ムリに決まってる
のに……」
――――あ……!
その言葉で、花乃はようやく、
拓斗の言おうとすることが少し
分かったような気がした。
――つまり――自分のせいで、
周りの人に普通じゃないことを
強いないといけない。
それが、辛いっていうこと?
――え……どういうこと?
拓斗より数歩前に出る形になった
花乃は、振り返って拓斗の顔を
仰ぎ見た。
視線を絡ませたまま、拓斗は寂し
そうな笑みを浮かべる。
「自分は好き勝手やってながら、
こんなのただのワガママだって、
分かってるんだけどさ。
オレはもうフツーの人間じゃない
のに、周りにはフツーでいてほし
い…なんて、ムリに決まってる
のに……」
――――あ……!
その言葉で、花乃はようやく、
拓斗の言おうとすることが少し
分かったような気がした。
――つまり――自分のせいで、
周りの人に普通じゃないことを
強いないといけない。
それが、辛いっていうこと?