花とアイドル☆《完》
「あいつ、がっつりツボにハマっ
た店見つけて、出てこなくなって
さ〜。

店先で待ってたら花乃さん見かけ
たから、ほってきた」


「え、いいの?」


「別にだいじょーぶでしょ。

集合場所は決まってんだし」


「で、でも、せっかく久しぶりに
会った友達なのに……」


心配な気持ちが拭えずそう言う
と、拓斗はハハッと笑って、


「たしかに会ったのは久しぶり
だけど、あいつとは小学校のとき
からの付き合いだから。

今さらそんな気遣う相手じゃない
よ」


「そ、そうなの……?」


「そそ。

それにさ――花乃さんに、話、
あったんだ」


「――え?」


ドキッとして、レンズ越しの
拓斗の瞳を覗き込む。
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