花とアイドル☆《完》
「花乃さんったら……別にバラは
逃げないよ〜」


拓斗はクスクスとおかしそうに
笑いながら、少し遅れて花乃に
ついて来る。


「へぇ、バラって赤とかピンク
だけじゃないんだな」


黄色いバラを見た拓斗が驚いた
声をあげると、


「うん。

他にも、白とピンクがミックス
したのとか……もっと珍しいのだ
と、青いバラもあるんだよぉ」


と、花乃がレクチャーしたり
して。


しばらく、二人でのんびりと
数々のバラの鑑賞を楽しんだ。


やがて、一通りの鑑賞を終えて、
一度来た通路をゆっくりと引き
返し始めた時。


拓斗が、おもむろに口を開いた。


「花乃さん、オレさ。

朱鷺田さんと、話したよ」
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