花とアイドル☆《完》
「ウン。

で、オレからも、朱鷺田さんに
謝った」


意外な言葉に、花乃はキョトンと
目を丸くする。


「え? 
拓斗クンからって――何を?」


花乃の問い掛けに、拓斗はほんの
少し恥ずかしそうな笑みを見せて
から、


「もとはと言えば、オレがつまん
ない意地張ってたのが原因だから
さ」


「―――意地?」


「そっ。

こないだ、オレがした話あった
でしょ。

オレ、親の七光りにはなりたく
なくて、素性隠して仕事してんの
にさ。

結局は、父さんの力借りてたり、
周りに負担かけてたり……。

そーゆー矛盾が許せなくて、
どっか意地になって仕事してる
よーなとこ、あったんだよね」


そこまで言うと、拓斗は深呼吸
するように、一度大きく息を
ついた。
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