花とアイドル☆《完》
嬉しいような、照れ臭いような。


フクザツな気持ちで、拓斗も
苦笑した。


「あ、そーだ!

拓斗にお土産渡さなくちゃ」


突然思い出したように言って、
遥がベッドの脇に置いてある
スポーツバッグに手を伸ばす。


「あー、さっき言ってたやつ?

悪いけど、いらねーんだけど」


丁重にお断りしようとした、
拓斗だったが。


遥は無視してバッグの中から
重そうな一冊の本を取り出すと、
よっこらしょと立ち上がって、
それを拓斗の膝の上に置いた。


「そんなこと言わないで貰って
よ。

昼間ほったらかしにしたお詫び
なんだから」


「お詫びっつってもな〜

てか、どっちかっつーと、ほって
ったのはオレの方みたいな?」
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