花とアイドル☆《完》
そして今日、偶然洋書の専門店を
見つけた遥は、完全にそこから
動かなくなってしまった、という
わけで……。


「拓斗も俳優の仕事してるん
だから、何かの役に立つかもしれ
ないよ。

チャレンジチャレンジ!」


「――まぁ、時間があったらな」


返品はきかないようなので、
拓斗は諦めてその本をサイド
テーブルに置いた。


遥は満足げに頷いて、


「そーいえば、ボクと別れた後は
何してたの?」


と、ふと思い付いたように聞いて
くる。


「ん、オレ? バラ見てた♪」


「えっ、バラ!?」


「……なんだよ?

その驚きようは」


素っ頓狂な声をあげた遥を、
拓斗は横目で軽く睨む。


「え……だって似合わ――と
いうか意外で」
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