花とアイドル☆《完》
「オレだって、たまには花を
愛でたい気分になるんだよー」


――まあ、最近は何かと花や
植物と親しんでるけど。


そのきっかけになっている人物を
思い浮かべながら、拓斗はそんな
ことを考えていた。


「ふぅん。

まあ拓斗んちの庭も、花たくさん
咲いてるもんな」


そう勝手に納得して、遥は再び
バッグを手にとり、自分用に購入
した本の整理を始める。


視線は手元においたまま、独り言
のように、


「それにしても、みんな相変わら
ず仲いいねー」


「ん? そーかぁ?」


「そうだよ。

それに、あの花乃さんって人も」


花乃の名前が出て、拓斗はトクン
と心臓が波打つのを感じる。


でも、努めてさりげなく、


「花乃さんがどーした?」
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