花とアイドル☆《完》
――落ち着かなきゃ。

こんなこと……どんだけ考えたっ
て、分かるわけない。


そう。


真実は――聞いてみるしかない。


花乃は震える両手をぎゅっと
握りしめて、遥を見た。


「あ、あのね――。

友達から聞いたの。

うちの大学の一回生に、熱狂的な
拓斗クンのファンがいるって」


「…………」


「でもそのコ、すごく謎の多いコ
で。

園芸科の講義で時々見かけるけど
、友達とかいないみたいで――
一回生の間でも、よく分からない
コなんだって」


話しながら、ひょっとしてすごく
バカな話をしてるんじゃないか、
という気持ちにとらわれる。


そう考えると、今すぐ話すのを
やめてしまいたい。
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