花とアイドル☆《完》
「どうしてかしら……。

連絡もなしに居なくなって、
電話も繋がらないなんて……」


愛香の声は強張っていた。


「分からない……。

分からないけど……」


二人とも、電話に出れる状態では
ない。


それだけは、間違いないようだ。


「とにかく、探そう」


拓斗は携帯を右手にきゅっと握り
しめて、二人に告げた。


「そ、そうですね!」


呆然としかけていた奈津美さんも
ハッと我に返って頷き、


「教会とギャラリーのスタッフ
には、私が聞いてみます。

もしかしたら花乃さん達を見かけ
ているかも」


「うん、お願い」


拓斗はもちろん、愛香も、むやみ
に人には話し掛けられない。

聞き込みは奈津美さんに任せて、
二人は周囲を探すのがベター
だろう。
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