花とアイドル☆《完》
「ちょっ……何するの――!」


遥に携帯を奪われ、花乃は悲鳴に
近い声をあげた。



遥と対峙するさなか、バイブの
振動で着信に気づき。


応答しようとバッグの外ポケット
から携帯を取り出したら――
素早い手つきで、遥がそれを取り
上げてしまったのだ。


「遥ク――」


花乃の声には耳も貸さずに、遥は
ボタンを操作して電源を切ると、
そのまま自分のポケットに携帯を
押し込んだ。


「ちょっと、返して……!」

「おばさんからだったから、
ダメです。

――あ、ボクの方にもかかって
きちゃうかな……」


遥はそう言うと、自分の携帯も
取り出し、電源を切った。


「どうして……、
心配されちゃうよ!」
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