花とアイドル☆《完》
「でも、遥クンは……」


「生徒じゃない、でしょ。

もちろん、情報収集とか、園芸科
ってどんな所なのか知りたくて、
時々講義に紛れ込んだだけです。

大学の授業ってあんな感じなん
ですね。

クラスとかあるわけじゃないし、
カンタンでしたよ」


「…………」


たしかに、やってできなさそうな
ことではない。


大人数の受講生を、生徒だって
講師だって、全員覚えてなんて
いないのだから。


「ボク、こんな見た目だから、
ちょっとウィッグつけてガールズ
の服着たら、ぜんぜん怪しまれ
なかったし♪」


クックと楽しそうな笑い声を
もらしながら、遥は言った。
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