花とアイドル☆《完》
     ☆☆☆☆☆



「わ………!」


また足がもつれて転びそうになる
のを、花乃はなんとかこらえた。



いつまでも、座り込んで泣いて
いても仕方ない。

そう思って、痛む足をかばい
ながら立ち上がり、来た道を戻り
始めたのだけれど……。


左足は今だジンジンと疼いていて
全く自由がきかないうえに、
道は今度は下り坂で、とても
歩きづらい。


情けないくらいに進みが遅くて、
教会への距離は一向に縮まらず
……今にも、くじけてもう一度
座り込んでしまいそうだった。


「誰かに連絡できればいいのに
……」


でも、花乃の携帯は、遥が取り
上げたまま走り去ってしまった。


協力を求められそうな人影も
見当たらず……やっぱり、自力で
たどり着くしかない。
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