花とアイドル☆《完》
花乃はもう、完全に体の力を
抜いて、その暖かい拓斗の腕に
全身をゆだねていた。
でも、それは。
さっきまでの脱力感とはぜんぜん
違う、とても幸せな感覚。
花乃は、心の底から自分が安心
しているのを感じていた。
「ダメじゃん……勝手にいなく
なったりしちゃ」
「ご、ごめんなさい……」
「ホント、困る。
頼むから、黙ってオレから離れて
ったりしないで――」
拓斗の声は、自分をしかっている
はずなのに、なぜだかとても
切なそうで。
花乃も、瞳を閉じたまま、何度も
『ゴメンね』と謝った。
――心配かけてゴメンね。
でも、来てくれて……ありがとう。
ずっと、こうしていたい――
そんなふうに、願ってしまった
けれど。
抜いて、その暖かい拓斗の腕に
全身をゆだねていた。
でも、それは。
さっきまでの脱力感とはぜんぜん
違う、とても幸せな感覚。
花乃は、心の底から自分が安心
しているのを感じていた。
「ダメじゃん……勝手にいなく
なったりしちゃ」
「ご、ごめんなさい……」
「ホント、困る。
頼むから、黙ってオレから離れて
ったりしないで――」
拓斗の声は、自分をしかっている
はずなのに、なぜだかとても
切なそうで。
花乃も、瞳を閉じたまま、何度も
『ゴメンね』と謝った。
――心配かけてゴメンね。
でも、来てくれて……ありがとう。
ずっと、こうしていたい――
そんなふうに、願ってしまった
けれど。