花とアイドル☆《完》
でも、その拍子に捻挫した足に
力を入れてしまい、続けて痛みに
うめくことになってしまった。

足首を押さえた花乃を見て、


「ちょっ――ケガしてんのか!?」


「ちょっと、拈っただけなの」


花乃は拓斗を心配させまいと
そう言ったが、拓斗は神妙な
顔つきで、


「拈ったって……見せて。

――けっこう腫れてるな……」


「……………」


言われて、花乃も改めて見ると、
たしかにだいぶ腫れが増してきて
いるようだ。


「とにかく、手当てしないと。

急いで戻ろう」


そう言うと拓斗は、しゃがんだ
体勢のままクルッと動いて、
花乃に背中を見せた。


「え―――」


――も、もしかして、これって
……?


「歩けないんでしょ?

おぶってくよ」


――や、やっぱりぃ〜
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