花とアイドル☆《完》
拓斗は、唐突な話題にちょっと
目を丸くしたけれど。


すぐに、軽く頷いて、


「あぁ、したっけかな〜」


と答えた。


遥は安心したように肩で息を
ついて、


「拓斗は、もしかしたらそうかも
って言ってさ。

そのとき、もし拓斗が芸能人に
なったら、ボクはどうするって
言ったか、覚えてる……?」


おそるおそる尋ねる遥。

でも、対する拓斗は考え込むこと
もなく、苦笑しながら即答した。


「覚えてるよ。

自分も芸能人になるか、オレの
マネージャーになる、だろ?」


――そうなんだ。

なんか、かわいいな……。


横で聞いていた花乃は、幼い
二人が目をキラキラさせてそんな
会話をしているところを想像して
、微笑ましい気分になる。
< 432 / 474 >

この作品をシェア

pagetop