花とアイドル☆《完》
LAST SCENE

ずっといっしょ

「よかった、歩けるようになった
んですね」


花乃の様子を見た遥は、安心した
ように柔らかい笑顔を見せた。


「うん、もうぜんぜん平気だよ!

ホント心配してくれてありがと」


花乃もそう笑顔で答えて、冗談
まじりに足をピョンピョンと
させてみる。



軽井沢旅行からちょうど一週間が
たった日曜日。


遥が、足を捻挫した花乃のお見舞
いにと、本郷家を訪れてくれた
のだ。


今日だけじゃなく、それまでにも
学校が終わった後に、何度か来て
くれていたりして。


逆に花乃が『そこまでしてくれ
なくても』と恐縮するくらいなの
だった。


「だって……ボクのせいだし」


「遥クン!

もうそれは言わない約束だよ?」


ポソリと呟いた遥をたしなめる
ように、花乃は少し低い声で言う。


そこに、奈津美さんがトレイに
ティーセットを用意してやって
来た。
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