花とアイドル☆《完》
機転のきく拓斗が、細かいところ
も適当につじつまを合わせて
くれたので、二人も疑うことなく
納得してくれて。


そうして、今に至っている。


「優しいだなんて、そんな……」


良心の呵責からか、遥は小さく
なってしまったけれど。


――ホントに、優しいよね。


花乃は、心の中でそう思っていた。


これは奈津美さん達や――拓斗
にも、話せないけれど。


実は遥は、大学にも何度か顔を
出してくれていたのだ。


まだケガをした直後の、歩くのも
ままならないとき。


例の『女生徒』姿でいきなり
現れ、移動やランチの際の手助け
をしてくれた。


最初に見たときは、驚きで声が
出なかったけれど……。


もっと驚いていたのは、親友の
みずほだ。
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