好きなの。【短】
***
「ねぇっ、由菜(ユナ)聞いてる!!?」
「んー?」
名前を呼ばれた私は
そちらに目線だけ向けてみた。
「んー?って……
だからぁ!見えないの!?
玲雄くんまたイチャついてるよ?」
隣でさっきからずっと騒いでいるのは
ショートカットのよく似合う私の大事な友達
紗夜(サヨ)。
「……いつものことじゃん。
紗夜、ちょっと落ち着いてよ」
「………」
「お、黙った。
落ち着いたの?」
「……落ち着くわけないでしょ!
なんで由菜はそんな冷静なわけ!?」
……結局ずっと騒がしい。
紗夜がそんなに騒ぐ原因は間違いなく、
私の彼氏である 玲雄(レオ) だ。
親友も彼氏も私も
同級生で高2。
紗夜とは小中高 ずっと一緒で。
玲雄とは、高1のとき
クラスが一緒で仲良くなった。
そんな玲雄に
ある日突然告白されて
付き合って
今に至る。
……一応、ね。
玲雄はイケメンと呼ばれるに相応しい、綺麗に整った顔をしていて。さらに運動神経抜群。
ついでに女の子の扱い方が上手で
誰にでも優しいってのが反則。
文句なしに、人気者だ。
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