好きなの。【短】



「楽しみだなぁ〜♪」

かなちゃんは本当に幸せそうに笑う。





……あぁもう、
一刻も早くこの場からいなくなりたい。






そんなとき、
ちょうど目に入った建物。




「………玲雄」

「ん?」


私の呼びかけに振り向いて、
私の好きな可愛い笑顔。




「私…今日コンビニ寄ってくから…
ここでばいばい」

私だって精一杯笑ってみせる。


…いいところにコンビニがあって助かった。




「え、……あぁ…俺もついてくよ?」

私の言葉に一瞬眉を寄せたけど、
すぐにまた、優しく笑った。



「ううん、そんなのいいよ。
ばいばい」



いつものように、
なにも気にしてない笑顔で軽く手を振って玲雄から離れた。




「……彼女、1人で行きたいみたいだし。いーじゃん♪行こー? れおくん♪」


かなちゃんは、それはまたかなり可愛い声で。

軽く私のことを笑いながら
れおの腕をひっぱってった。













「………ふぅー…、」







2人を見ていたくなかっただけで
コンビニに用なんてなかった。

…利用してごめんね。





そのままはコンビニの前を通り過ぎ、私は違う道から家に向かう。





< 4 / 27 >

この作品をシェア

pagetop