好きなの。【短】
「楽しみだなぁ〜♪」
かなちゃんは本当に幸せそうに笑う。
……あぁもう、
一刻も早くこの場からいなくなりたい。
そんなとき、
ちょうど目に入った建物。
「………玲雄」
「ん?」
私の呼びかけに振り向いて、
私の好きな可愛い笑顔。
「私…今日コンビニ寄ってくから…
ここでばいばい」
私だって精一杯笑ってみせる。
…いいところにコンビニがあって助かった。
「え、……あぁ…俺もついてくよ?」
私の言葉に一瞬眉を寄せたけど、
すぐにまた、優しく笑った。
「ううん、そんなのいいよ。
ばいばい」
いつものように、
なにも気にしてない笑顔で軽く手を振って玲雄から離れた。
「……彼女、1人で行きたいみたいだし。いーじゃん♪行こー? れおくん♪」
かなちゃんは、それはまたかなり可愛い声で。
軽く私のことを笑いながら
れおの腕をひっぱってった。
「………ふぅー…、」
2人を見ていたくなかっただけで
コンビニに用なんてなかった。
…利用してごめんね。
そのままはコンビニの前を通り過ぎ、私は違う道から家に向かう。