卒業〜君のとなり〜
Ⅰ
「おーい、日直誰だー」
先生があくびしながら教卓付近を探してるのを見て、ハッとした。
黒板の右下には、
「鶴田、丸山」
私“たち”の名前だ。
「あ、やべっ」
隣の席で寝ぼけてた鶴田がすっかり目を覚ました様子で、私を見た。
「最後くらい朝の会までに持ってこれないかねー、君たちは」
日直は朝、職員室から日誌を持ってくる事になってるのだ。
「お前、持ってこいよ」
「はぁ?何でよ」
「じゃあ、ジャンケンな!」
「よし」
私たちは腕を交差させて、手と手の中を覗き込んだ。
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