卒業〜君のとなり〜
「あんた花は?」
「後輩にあげちゃった」
鶴田は首をすくめて笑った。
「あと卒業記念の印鑑も持ってかれた」
あっと思ってよく見たら、鶴田の学ランのボタンは全部なくなっていた。
胸についていた名札もない。
うそ…。
よく見ると、周りには鶴田のことをチラチラみてる女の子が沢山いた。
私は動揺を隠せなかったけど、それを誤魔化すために毒を吐いた。
「何でアンタみたいなのがモテるわけ?」
「なんだとこら」
ほんと私、最後まで可愛くない…。