双子
それからというもの、
授業は全て窓の外を眺めるという作業で終了した。
そして、お昼。
机と机をくっつけ、お弁当を広げる者。
まあ、当たり前だが。
あたしも例外ではなく、それに従う。
奈緒は部活の集まりで教室から出て行った為、茜と食べる事にした。
「茜、一緒にたべ…」
「高野君達、一緒に食べようよ」
遮られた。
茜は高野兄弟と食べるようだ。
しょうがないから1人机でお弁当を広げかけた時、
茜の隣に居た高野兄弟が声をあげた。
「そこのあんた、」
「も、一緒にどう」
予想外だった。
しかも兄弟でセリフを分担と来た。
茜はお弁当をひろげていた。
「あ、愛も一緒に食べるんだ。いいよいいよおいでっ」
あれ、聞こえてたのか。
「あ、うん。ごめんねいい?」
別に断る理由も無いので、承諾した、が。
やっぱり断っとけばよかった、とその承諾した二秒後に思った。
「ねぇ、さっきの茜ちゃんの顔みた…?」
「見た見た。すごい顔してたよねー」
そして、教室のとある一角でこんな話がされていたのをあたしは知らなかった。